これも試そう!『一字決まり』での百人一首の覚え方もある

百人一首というのは、札に書かれた和歌を詠み楽しむのも良いものですが、百人一首でかるたをするなら、札を多く取りたいものではないでしょうか。札を誰よりも早く取れるようにするには、和歌を多く覚えることやどこに札が置かれたのかという、位置を覚えることも大事です。

札を多く取るには和歌を覚えるのが有利ですが、一気に全部を覚えるとなると大変なことでしょう。百人一首を覚えるとすれば、コツとして上の句が読まれたら下の句がどういったものなのかがわかると、相当に有利に働くと考えられます。

その際には、『決まり字』もしくは『一字決まり』という覚え方が役に立ちますが、『決まり字』は上の句のある程度を聞いたら下の句が分かるという、上の句の最低限の文字数を指します。

要するに、『む』という字は百人一首に1句しか存在しません。『むらさめの つゆもまだひぬ まきのはに きりたちのぼる あきのゆふぐれ』という句です。そのため、『む』と聞けばこの句が思い浮かびますので、下の句も取りやすくなると思います。

この句の決まり字は1つになっていて、決まり字が1つの句を『一字決まり』と呼ぶのです。こうした一字決まりの句は全部で7つあることを知っておきたいです。『すみのえの きしによるなみ よるさへや』という上の句なら、『す』が一字決まりであり、下の句は『ゆめのかよひぢ ひとめよくらむ』となります。

上の句が『めぐりあひて みしやそれとも わかぬまに』であれば、『め』が一字決まりで『くもがくれにし よはのつきかな』が下の句となるのです。『ふくからに あきのくさきの しをるれば』の上の句なら、『ふ』が一字決まりとなるでしょう。

『ふ』と聞いたら下の句の『むべやまかぜを あらしといふらむ』が思い出されればOKです。こうした一字決まりは、通常は各首の冒頭の1文字だけを取り『む・す・め・ふ・さ・ほ・せ』と覚える方法が一般的であると考えられます。

こうした方法であれば覚えやすそうですし、一字決まりだけでなく決まり字の数次第で様々あり二字決まりが42首あり、三字決まりだと37首となり四字決まりになれば6首、さらには五字決まりだと2首、六首決まりは6首あるのです。

百人一首を覚えるなら、決まり字を覚えておけば上の句の後ろの言葉を覚えていなくても、下の句の札を取ることができます。ですので、『源平合戦』や競技かるたをするなら決まり字もしくは一字決まりを覚えておくのがポイントです。

また、上の句と同じく下の句にも決まり字があるものですし、自身が札を取りやすいように他にも覚え方に工夫を凝らしてみるのも一案となります。もし語呂合わせで覚えるなら、
『めぐりあひて みしやそれとも わかぬまに』と『くもがくれにし よはのつきかな』の組み合わせなら『目、雲隠れ』と覚えるのも手段です。

そして『さびしさに やどをたちいでて ながむれば』と『いづこもおなじ あきのゆふぐれ』は『さいず』と覚えるのも1つの方法です。