どんな遊び方?百人一首の『坊主めくり』というゲームとは

ここでは、百人一首の『坊主めくり』という遊び方について詳しくご紹介していきたいと思います。『坊主めくり』は、絵札を使いまだ仮名が読めない小さな子供であっても遊べるのがポイントです。

読み手は不要であり、取り手は2人以上となっています。絵が描かれた方の札を使いますが、絵札をシャッフルし裏向きにして山積みにするのです。これを山札と呼びます。参加する人は山札を囲み丸く円を描くようにして座ります。

順番を決めて、参加者が順番に山札の中から1枚だけ札を取りましょう。絵札が殿(男性)だったなら、そのまま自分の手札とします。絵札が僧侶(坊主)であれば引いた人は自身の持っている手札をすべて捨て、捨てた札は山札の横に置きます。

絵札が女性(姫)なら、山札の横にある僧侶(坊主)を引いた人が捨てた札を全部もらうことが可能です。山札が全部なくなった際に、最も多く札を集めた人の勝利となります。この『坊主めくり』は、地方により色々なルールがある点がポイントです。

それについては、祖父や祖母が知っているかもしれないので、聞いてみるのも一案でしょう。例えば、女性(姫)の札を引いた場合に坊主の札を引いた人が捨てた札をもらうことができる他に、もう1枚引くことができるルールも存在し、両方適用になるという地方もあるとされています。

さらに捨て札がなければもう1枚引くというケースもあります。そして蝉丸のみを特別に扱うパターンもあるのを知っているでしょうか。蝉丸を引いたら1回休みであったり、蝉丸を引いた人はどれだけ札を集めていたとしてもビリが決まってしまうといったものです。

それだけでなく、蝉丸を引いた人は皆の手札をもらうことができる、蝉丸を引いた人以外の人皆の手札を捨てて、山札の横に置くというものもあります。ただしこの際には、最後の1枚が蝉丸ならば引いた人が負けです。

さて、山札には積み方があるのでその点についても知っておきましょう。山札は1つであり、100枚全てを1つに積みます。参加者に裏向きに順番に配って、自分用の山札を作ります。100枚を2つや3つなど複数に分け積みます。

1つめと2つめについては上から順に引いていきますが、3つめの山札複数ルールについては、自身の勘を頼りに山を選ぶことができる点が面白いかもしれません。山札を作ることなく伏せた札を円状に並べて、自由に選ぶ手段もあるとされています。

『坊主めくり』では、僧侶(坊主)の見分け方を知っておく必要があります。法師と僧正には12人いて、喜撰法師や僧正遍照(そうじょうへんじょう)、素性法師、恵慶法師、前大僧正行尊、能因法師、良暹法師、道因法師、俊恵法師、西行法師、寂蓮法師そして前大僧正慈円が該当します。

入道には法性寺入道前関白太政大臣や入道前太政大臣がいますが、入道については札のメーカー次第で殿の場合もありますし、坊主の場合もあります。名前が入道となっているため坊主ではあるものの、長い期間貴族として活躍していたことから、殿として描かれることがあるということです。

蝉丸は僧侶として活動していたと記録されていないため、殿になりますが『坊主めくり』においては頭巾を被っていたりその服装のせいもあってか、坊主の扱いとなることがあります。