百人一首で遊ぶなら、かるた取りをするのが基本です。そして5・7・5・7・7という31文字で構成される短歌となっています。読み手側の持つ札には句が全て書かれているものの、参加者が取り合う取り札には下の句である7・7のみが書かれているのです。
例を挙げると、いろはかるたなら読み手が『はなよりだんご』と言った場合には『は』から始まるかるたを探すことになります。しかし百人一首なら『あきのたのかりほのいほの とまをあらみ わがころもでは つゆにぬれつつ』と読み手が読んだなら、参加者は『わがころもでは つゆにぬれつつ』と書かれた札を探す点が異なるのです。
いろはかるたであれば、読み手が読んだ一文字目を聞くことでどなたであっても札を探せるでしょう。ところが百人一首の場合はそういうわけにはいかないのです。しっかりと覚えていなければ下の句を読み手が読むまでどの札を取れば良いのかの判断がつきません。
ということは、百人一首は短歌を覚えているなら札を取るのに有利になるということでもあります。また、百人一首を読み始めの一文字目が1枚のみの字があるのを覚えておいてください。
『む、す、め、ふ、さ、ほ、せ』の7つの字から始まる百人一首は1枚ずつのみになっているのです。このことから、覚えやすいものをまず暗記するという方法もあります。さらに、百人一首は語呂合わせにより覚える方法があるため紹介しましょう。
一首目の上の句が『秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ』で下の句が『わが衣手は 露にぬれつつ』の場合は『秋の』と『露にぬれつつ』のワードを主軸にして覚える方法があります。
また、六首目の上の句『かささぎの 渡せる橋に おく霜の』下の句『白きをみれば 夜ぞふけにける』では、『傘が』や『白い』というキーワードで覚えるのも一案です。そして九首目の上の句『花の色はうつりにけりないたづらに』下の句『我が身よにふる ながめせしまに』なら、『花の』と『我が身よ』と覚えるのはいかがでしょうか。
一四首目の上の句『みちのくの しのぶもぢずり 誰ゆゑに』下の句『みだれそめにし 我ならなくに』であれば、『道の』と『乱れ』と2つのワードのみを覚えておくと便利です。続いて二十二首目の上の句『吹くからに 秋の草木の しをるれば』下の句『むべ山風を 嵐といふらむ』は、『吹く』と『山風』を押さえておくと良いかもしれません。
読み手が読み札を読み、読まれたものに付随する取り札を取る点はかるたと同様というのが分かったでしょうか。取り札には下の句がひらがなによって書かれています。上の句は聞き流して下の句のみを聞き、札を取るのです。短歌が覚えられてくれば、上の句を聞いただけで下の句がそういった言葉なのかが分かるようになります。
なので、下の句を読み上げてしまう前に取り札が取れるようになるでしょう。一首の全てを覚えなくても、語呂合わせで一部のみのワードを暗記していれば、多くの札を取れるようになる可能性があるということです。